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読者の作品 047
 

2009/05/08

埼玉県和光市にお住まいのSeason様から寄せられた「工具ワゴン」をご紹介いたします。

日曜大工も進むに従い使用工具・道具が増えて行きそれらの収納保管が大変重要になってきます。 皆さんそれぞれ工夫しておられると思いますが、Season様も住まいの環境変化に適合した合理的な収納部としてキャスター付きの物を作られています。

以下にSeason様から寄せられた写真や説明の原文をそのまま掲載いたしますので、ご参照ください。


工具ワゴン

構  想
 D.I.Y.をはじめて早5年が経過し、いつのまにか収納に困るようなほどになってしまった工具たち。なけなしのお金で揃えた大切な工具たちを1箇所に、使いやすく、痛めないように収納したいと思ったのがこの工具ワゴンを製作することにしたきっかけです。作業をしているうちにあちこちに置かれた工具たちのおかげで、狭い作業場が更に狭くなっていました。そこで前々から製作してみたいと思っていたお師匠様(大橋様を勝手によばさせていただいております。)「ワゴン型収納棚」を参考に設計に入りました。

設  計
 まずは全体サイズ。現在は将来娘の部屋になる予定のスペースでD.I.Y.をしています。その内追い出されるのを見越して子供たちのおもちゃが収納されている和室の押入れにピッタリと収納できるサイズにすることにしました。全体サイズを重視して設計したので板取りは良くありませんが仕方がありません。 少しでも収納スペースを確保するために引き出しのつまみをつけずに、プッシュオープンスライドレールを採用しました。押入れに入れる際にもつまみが他の収納物に引っかからない利点もあります。 単なる工具箱としてだけでなく、作業中の一次工具・材料置き場として数箇所工夫を施しています。

製  作
 木材はネット通販であらかじめ縦引きカットをしていただいたものを購入。お師匠様の無い無い日曜大工の実践です。苦労した点はプッシュオープンスライドレール位置の微調整でした。3時間もの時間を費やしやっとの思いで調整しました。引出し前板はつまみをつけないので仮止めを正面からすることができず、位置調整にも時間がかかりました。

仕 上 げ
 各引出し前板のみポアーステイン「チェスナット」に30%の「ブラック」を混合して着色しています。この色は将来製作を予定しているテレビ台に使うことを見越して、練習していると言うわけです。 着色の後、艶ありクリアーを3回、艶消しクリアーを1回塗って仕上げました。 最後にワゴンのハンドル兼、雑巾かけとのこぎりの一時ホルダーを取り付けて完成です。

費  用
 合板 \17,087
 スライドレール ¥10,415
 雑巾かけ ¥615
 キャスター ¥720
 塗料 ¥2,770

 合計 ¥31,607

 結構高くついてしまいましたが、市販の工具ワゴンにはないサイズ・機能を有していますので、代えがたい価値を感じ、満足しています。

 しかしながら、設計や板取、接合方法など改善の余地がまだまだありそうです。

あらかじめカットされた合板を各サイズに切り出しました。

塗装前の前板。 一枚の合板から切り出して木目を揃えています。

工具ワゴン製作以前の工具の状況。市販の小型工具箱を3個使っても入りきっておらず、しかも工具同士が干渉し傷ついてしまう恐れがあります。

完成間近の工具ワゴンにすべての工具を収納してみました。 ピッタリと収まっています。(上の連続5枚の写真)

工夫その1 天板にH=5oの淵を付け、工具や材料を一時的に置いたとき落下しにくくしました。

工夫その2 裏側に平らな引き出しを付け多目的置台と同じ高さにし、切断時の材料受けとしました。(お師匠様のアイデアを拝借いたしました。)さらにこの引き出しは曲尺2本の専用収納になっています。

工夫その3 床と底板の間に引き出しには入らない、ガイドとして使用している板を収納できるようにしました。

工夫その4 和室の押入れにピッタリと納まるサイズにしました。将来さらに工具が増えてもう一台工具ワゴンを製作したときのために2台並ぶサイズにしています。

工夫その5 のこぎりの専用一次置きをつけました。3本入るようになっています。 工夫その6 ハンドル兼雑巾かけは、木工ボンドを逆さにして置けるようになっています。

工夫その7 側板に鉄の板を埋め込み、製作中の図面をマグネットで止めておけるようにしました。天板に図面を置くと工具が置けなくなってしまう為です。

詳細な寸法図はこちらです。 上の図をクリックすると拡大した図面をご覧いただけます。

完成した物を前面から見たところです。

同じくこちらは背面から見たところです。

謝 辞
もともと工作好きだった私に燃え上がるほどの製作意欲を与えてくださったのは大橋様です。この5年間、毎週欠かさず貴サイトを拝見し、楽しく過ごさせていただきました。今まではなかなか自分で納得のいく作品が作れなかったため、投稿はしておりませんでしたが、これからは感謝の意を込めて投稿させていただこうと思っております。

貴重な情報をいただき、本当にありがとうございます。これからもずっと影ながら応援させていただきますので、よろしくお願いいたします。



VICの一言

 D.I.Y.を始められて5年との事ですが、私が提唱している抑えるべきところをほぼ完璧にやられていることが理解できますし、作られた物の実用性と使いやすさは市販品を間違いなく越えたD.I.Y.ならではの物で、感服いたしました。

お若い方ですから今後色々多くのテーマに取り組む機会がおありでしょうし、益々上達されると期待いたしております。