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読者の作品 045
 

2008/08/15

東京都にお住まいの「たにし」様より寄せられた作品を紹介いたします。 作品はTV台とキャビネットを一体化したもので、引越しの際に運びやすいように分解できる構造としています。

製作に際しては「Google SketchUp」(有料版の機能制限した無料版のものでこちらから入手可能)を使って完成後のイメージを確認した上で製作作業に入られています。 当然ながらその段階で全ての部材のサイズは特定されますので、木材を購入したお店(インターネット通販)で全てのカットをしてもらうやリ方をしています。 このため自宅では組立てと塗装で完成という隣近所に騒音などで迷惑を掛けることなく最少の手間で完成という、私がひとつのやり方としてお奨めしている方法です。

材料は本体とビデオラック部分が21mm シナランバーコア、引出しは15mm シナ合板、天板が30mm パイン集成材で、引出しには3段レールを使用。 他に取っ手まで含めた総材料費は約\72,000.-とのことです。  組立てはスリムネジ併用の木工ボンドですが、接続部分の段差や窪み部分を埋めるのにパテを使用しています。  塗装は引き出し前板はペイント3回塗り後ニス2回塗り、その他はステインで着色後ニス2回塗りで仕上げています。

その他に関しましては以下の写真及び注釈をご覧下さい。

Google SketchUpで描いた完成イメージ図面ですが、こちらには各部の寸法も記入してあります。

見る角度を変えたこちらは完成後の下の写真とほぼ同じ方向から見た印象になっています。
たにし様は「意味不明でしょうが?」と言われていますが、板取や設計上の様々な計算、覚え書きなどは手書きにて克明に記録されています。

最初に完成後の全体をご紹介しますが、右端に見えるように設置面の壁は約300mm窪んでいます。 一方上にテレビを載せる部分は奥行き400mmは欲しい所ですので、家具の左右で違う奥行きとし右側の出っ張りを目立たなくする形が今回の基本になっています。

木材料の切断は全て購入店に任せましたが、3段レールの取り付け精度などでも問題はありませんでした。

こちらは組み上がった引き出しにレールを固定してテスト中の様子です。

キャビネット最下部にはコンセントを取り付けましたが、このコンセントは底部の空間をはわして壁コンセントに接続されます。

引き出し前板にペイントを塗っていますが、これは3回塗って乾燥中のものです。

その後艶消しニスで仕上げました。 しっとりとした感じになります。

そして引き出し前板の位置合わせ(引出しの箱に対して)をしている所です。



穴あけに関しては垂直性を保つためパソコンに使われているハードディスクで不要になった物を分解し、そのディスクを鏡替わりに使っています。 これは卓抜なアイデアです。
(上の写真)



壁面に寄せている2台と手前に見える2台、そしてここには見えない左端のビデオラック部1台の計5台を横方向に並べて連結し、その上に集成材の天板を載せるという構造で、6つのブロックは必要とあらば分解可能ですので運び出しは楽に出来ます。(右の写真)



上にテレビが載るビデオラック部はランバーコア2枚貼り合わせとしていますが、木口テープを使い分厚い1枚板を使ったかのような仕上げとしています。

こちらが木口テープを貼り終わった後の写真で、見事に1枚板のような感じが出ています。


5つのブロックを横に連結し終わった所です。 

その上に集成材で加工済みの天板を載せた所です。

天板だけは実家のガレージにて切断後トリマーで面取り加工し搬入しました。 長さが2700mmありますが、何とかマンションの玄関を通りました。

今回作業中に工具や金物を置くのに作りました。 少ない床面積で沢山の物が使い易く整理できます。




VICの一言

作品044と同様事前の十分な検討を加えて設計後に全ての部材の切断は購入店に任せてしまうというマンション住まいで最も実現しやすい作品です。

実際に組み上げる際にはネジ止めですから釘打ちの騒音も出ませんので、お隣に気兼ねすることなく日曜大工で家具を作ることが可能です。 何も一軒家に住んでいなくても実現できるという好例です。

どのような作り方をするにしても、きちんと構想検討と設計を進め図面に描きあげて確認することは常に重要な作業です。