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読者の作品 044
 

2008/07/18

滋賀県大津市にお住まいのimuy(若い女性の方)からお寄せいただいた作品をご紹介いたします。
作られた物は「ダストボックス」で既存のゴミ箱はインテリアとしてマッチしない!という観点から考えられています。
以下にimuy様から送られたコメント、設計図面、そして写真を掲載いたしますのでご覧下さい。


  ◆ 製作を決意した"いきさつ"
   ・これまで、ゴミ箱を出しっぱなしだったキッチンの見栄えを少しでも良くしたい、と考えて、見栄えの良いゴミ箱を探し
    たが、どれも2〜3万円と高価だったこと。
   ・また、ガラス天板や化粧板のゴミ箱はたくさん市販されていたが、インテリアに合わないと感じたこと。
   ・以前からDIYに興味があって、小さな棚などを作ったことがあり、楽しさは承知済みだったが、大物は作ったことがな
    かったが、VIC's D.I.Y.を拝見し、勇気がわいてきたこと。

  ◆ 工夫した点
   ・現在既に使用しているプラスチックゴミ箱をそのまま収納できる形としたこと。
   ・とても気に入っている食器棚と同じテイスト、同じ奥行きとすることで統一感が出るようにしたこと。
   ・扉にステーを取り付けて、"バタン"と開かないようステーにバネを追加したこと。

  ◆ 苦労した点
   ・手前の板がL字だが、直角(90°)が出ずに(95°)、マグネットキャッチがなければ少し手前に浮いてしまうこと。
   ・マンション住まいなので仮釘を打つときの騒音が気になった。
   ・初めての塗装。貴サイトに紹介されている方法や、直接ご質問させていただきながら、入念に塗装した。
   ・となりの食器棚と同じテイストの取っ手がなかなか見つからない。(近所のホームセンターやweb上には)

  ◆ 費用
   ・木材代 10,000円程度(板取りがあまりうまくいかなかった)
   ・金物代 600円程度
   ・塗料代 6000円程度
   -----------------------------------------------
    合計: 16,600円!買ったより、安いが、意外と高価になってしまった。

製作にあたって、塗装の仕方など、質問に答えていただいたおかげで、楽しみながら(途中で放棄することなく)完成させることができました。特に塗装は、"初心者なので、無理"と今まであきらめていましたが、塗り進めるに従って"それらしく"なるのがわかり、すごくうれしかったです。これからも、楽しみながら、いろいろと作ってみたいと思います。


VICの補足: ダストボックスの設計図面はMS Excelで描かれており、こちらからご覧いただけます。 尚Excelの枠線は消した上で表示可能ですが、imuy様が送られた図面は枠線が見える状態で送られてきていますので、それを尊重しています。


梱包を開いて確認中の材料。 木材は既に、購入時にカットされているので、切断作業はまったくありません。(上)

材料は重い事と、ホームセンターに厚いシナ合板がなかった事からインターネット注文しました。 今回は、エビナ製材(京都)という所で板取り図を書いてもらって、何度かやりとりした後に切断した上で購入しました。

丁寧に何度も質問に応じてくださいましたし、板のサイズも、安くなるようサイズアップを提案していただいたり、と、初心者にでも安心して購入できるお店でした。


註): エビナ製材さんはリンク集に掲載されています。

念のため、余りの木で1〜3回塗ったときの色を確認し、 食器棚に近い色を出せるよう心がけました。 ポアステインは原液100mlに対し、水130ml程度とかなり薄めて着色濃度が徐々に上がるようにしています。

接合部はすべて木工ボンドですが、天板以外は仮釘を併用して軽い圧着保持を掛けています。

水で薄めたポアステイン(チーク色)を1回塗った所です。

着色後乾燥中ですが、作業はダンボールを床に敷いてその上に新聞紙を広げた上に作品を載せています。

3回の着色が終了し希望の濃度に到達しました。 この後水性ウレタンニス透明クリヤーを1回塗装し次に水性ウレタンニス艶消しクリヤーを2回塗っています。



手前下に蝶番が付いていますのでL字型をしたゴミ箱受けはこのように開きます。 但し無制限に開かないようステーをそれぞれの扉の内側に取り付けて途中で停止させています。  更に扉を開いた時に停止位置で発生する衝撃と音を軽減するためにご覧のようにステーの先端にはスプリングを挿入してやりました。(右の写真)
完成した作品の天板部分のクローズアップ。 はじめての塗装でしたが、つや消しニスは思ったより上手に塗れました。 木目が綺麗に見えたので、すごくうれしいです。


          完成したダストボックスを使用位置に収めた全景です。 この中に既製品のプラスチック
          ゴミ箱が入るのですが、隣の食器戸棚と上手くマッチしています。




VICの一言

事前の十分な検討を加えた後に設計図面をきちんと描いて全ての部材寸法を決定し、部材切断は購入店に任せてしまい完成後の塗装は念入りに!と、 私がお奨めしている日曜大工の初期段階のスタイルをそのまま踏襲されている好例で大変嬉しく思います。

総費用は結構掛かったとのことですが、製作を積み重ねて行くに従い徐々に板取りが上手くなってゆき材料節減も図れると思いますし、何しろ既製品では得られないインテリアの一部として溶け込んでくれていますから、十分に価値があると思われます。

また塗装の出来栄えは初心者とは思えないような素敵な仕上がりとなりました。 その鍵は丁寧に所定の手順を踏まれたことと、最後に艶消しニスで仕上げた点にありそうですが、今後の更なる活躍を期待したいです。