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読者の作品 037
 
2007/03/16

北海道にお住まいのT. I.さんの作品を紹介いたします。 (以下に送られてきたコメントと写真をそのまま掲載します。)


Vic Ohashi さま

いつも金曜日は楽しくHPを拝見しています。 たまたま近所のホームセンターで手に入れた人造大理石を使って、いくつかの試 作品を作りました。なにかのご参考にでもなればと思い、データをお送りします。 材料入手が不安定ですので、ひろく勧めるわけにはいきませんが、安い端材を使 ってこんなことができる、DIYのひとつの例としてご紹介します。

【試作品のご紹介にあたって】

●一部のホームセンターには人造大理石の端材が置いてある。おそらくシステム キッチン製作過程でシンク部分の切り抜きにより生じた副産物だと思われるが、 適度な大きさがあり、高級な質感があるので、手軽な加工方法が無いかと見てい た。

●あるときためしに木工用トリマーのビットをダメにしても良いと思って、購入 した一枚に刃をあててみると、すいすいR面取り加工できることがわかった。数 枚のリング刃が組みになった木工ホルソーが数百円程度で売られているが、これ も使える。人造大理石は、硬くてちょっともろい木材という感じでジグソーも使 え、興味が湧いていくつか試作してみた次第。

●この材料はガスオーブンで加熱すると、ある程度の曲げ加工が可能になる。 (ウエブで調べてみると、180℃で30分間程度加熱するのが基本らしい)アン グルピースが製作できるので、利用範囲が広がった。

●また、金工ドリルで適切な下穴を開けると、もくねじやボルトが締められるの で、裏側から固定することも可能。ただし、もろいため、粘りの必要な強度はあ まり期待できない。強度が必要な際は通しボルトを使うか、あらかじめ木片を接 着しておいてそれにビスをねじ込む方法になるだろう。

●人造大理石は水や熱や日射に強いとのことで、屋内外の製作素材として活用の 分野は広い。

●ただし、材料の入手に難がある。原板は非常に高価で端材の20倍程度はするの で、DIYの材料としては問題がある。ビバホームの一部の店舗には不定期にこ の材料(端材)が入荷する(札幌市内では約半数の店舗に置いてある)。厚さは ほとんどが8mmだが、13mm品も混じっており、柄が気に入ったものは逃さ ず入手するようにしている。端材価格は500×700×13mm程度で105 0円。十分重いので、買ったそのままでノシ台に使える。この6割程度の大きさ の部材もあり、700円以下で購入できる。自由に注文できるという性質の商品 ではないので、人気が出ると困ると内心では思っている。

●人造大理石の裏面に印字されたものがあり、デュポンのコーリアンということ がわかる。それ以外のものも混じっている可能性があるが、加工性に差は感じら れない。

●私は木工に関してはまったくの素人で、今回紹介したもの以外はほとんど手作 りでものを作ったことがない。素材の魅力に惹かれて工作に手を出した。慣れた 人ならもっときれいに作れると思う。

●このきわめて安価で興味深い材料を活用して、いろいろなものが作れたら面白 いと思う。もしも各地のビバホームでも入手可能なら幸いである。

   試作品リスト
   1 表札
   2 傘立て
   3 照明カバー
   4 飾り棚
   5 紙巻器
   6 石鹸受
   7 キッチンペーパーホルダー
   8 コート掛け

以上



表札・傘立て




照明カバー


飾り棚




ペーパーホルダー




石鹸受け



キッチンペーパーホルダー




コート掛け






Vicのひとこと

人造大理石とは天然の石を細かく砕いたものをプラスチック(レジン)で固めたもので、メーカーとしては型物として自由な形体に作れるため一般家庭で使われる水周りの機器(風呂桶、流し、洗面台の洗面器、カウンター)などは殆どがこれに換わっていますが、これらは木工用の刃物での加工は出来ません。

但しT. I.さんの補足説明によるとT. I.さんが使われた人造大理石はデュポン社製で、デュポン社のホームページでは「木工用刃物で加工できる!」と説明されているそうで、一般に知られている天然石を細かく砕いてプラスチックで固めたものとは違うようです。  これは私の勝手な想像ですが、人造大理石と呼ばれていても全てが高分子化合物(広範なプラスチックスと理解してください。)で大理石に見えるように製造されたものと理解した方が良いと思われます。  そうであれば木工用の刃物で加工できることが十分うなづけます。  従って一般の(石を細かく砕いた物をプラスチックで固めた。)物でT. I.さんがやられたのと同じ加工が出来る?と勘違いしないようご注意下さい。

何れにせよこういった変わった端材の類を利用するのは材料費を抑えることのみならず、構造的・外観的にかなりユニークで一味も二味も違った物が作れますので、ホームセンターでよく見かける端材コーナーなどでよく観察し、それらから何を作れるかを考えるのも大変面白いテーマになります。 その意味でこの材料を発見し上手く生かしきって見事な作品にまとめ上げたT. I.さんの発想・創造性・工夫におおいなる敬意を表します。