HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop


読者の作品 030
 
2005/07/08

東京都の福山様から電動ドリルアタッチメントの続報が届きましたのでご紹介します。

ワンバイフォー材を木ダボでつなぎ合わせる為のジグを追加されていますが、単にそれに留まらずどの位の精度で穴あけが出来ているかのテストをされた報告をされています。

私の経験では木製であることから来る撓みや加工・組立て精度に起因し、完璧な垂直度を保つのはかなり難しいと思います。 しかし福山様も気づかれておられるように、実用上充分な精度で加工できておりアタッチメント無しに比べれば遥かに改善されていると思います。

かなり拘った精度のテスト結果。 とくとご覧下さい。


Dear Dr Vic,

電動ドリルアタッチメント Fusan 23 RYOBI BD-121 version の続報です。
前回のご報告では、その垂直精度について、SPF 2x2 を使っての
簡便な検体数 6 のテストドリリングによるものでしたが、
いよいよ本来の目的である 1x4 の木端のダボ穴明けの実作に
入りましたので、その途中でデーターを取り、ご報告申し上げる次第
です。

30年近く前に、埼玉県の朝霞に3DKのマンションを買って住んだことが
ありますが、その時に間口1間、奥行45cmのユニット棚を居間に
作りました。これが私のDIY第1作でしたが、ホームセンターで材料を
いろいろ研究した結果、板材(当時ラワンが主流でしたが)は余りにも
高価すぎると考え、ラワンの棒材を框にしてプリント合板を両面に貼って
棚板を作りました。いわゆるフラッシュというやつです。
それから30年、時間ができて先ず始めたのが、倉庫になってしまった
2階の小部屋の大掃除。中にガラクタしか入っていない整理ダンスを
解体し、その引き出しの前板(やはりフラッシュ)を利用して本棚を作り
我が家の本をかき集めて、3畳の図書室を作りました。
集めた本は当初の時点で約1700冊、主に小説と娘たちの置いていった
童話、児童ものと音楽関係の楽譜や書籍ですが、これをExcelのリストに
して、娘たちにE-mailで送り、孫たちを含めた再利用を促している訳です。
足の踏み場もなかった部屋がリニューアルされ、娘どもに尊敬された次第。

その、元整理ダンスの本棚は1年もたずに壊れてしまいましたが、高価な
棚板をどうしても購入する気になれず、我がワンバイフォーダボ接ぎ作戦
が始まった次第です。閑話休題。

先ず、SPF 1x4 専用の治具を作りました。(写真 1)。
専用ですから、鶴見の伊藤先生のような、クイックバイスを使う複雑な
ものでなく、全部ビス止めの固定式でつくりました。
それはそれで良さそうですが、実は1x4といっても微妙に厚さが違い
きつかったりゆるかったりで、問題は残ったようです。
写真 2 はそれにドリルアタッチメントをセットしたものです。

今回、1x4 を4枚ダボ接ぎして、長さ560mm、奥行356mm の板を
2枚作るべく、合計36個のダボ穴(6mmφ)を明けました。
全部の垂直度を調べるつもりでいましたが、これが結構労力がいり、
結局半分の18個の穴について調べたことになりました。


<測定方法>
1)  92.8mm長 x 6mmφのドリルビットを、設定深さ16mmの穴に目一杯差し込む。
2)  長手方向の傾斜は、写真 3 のように、曲尺を当てて、上端と、下端から15.6mm幅の
    曲尺の上の位置の幅を測定。(曲尺左端とビットの右端の距離)
3)  妻手方向の傾斜は、写真 4 のように、母材左の木表側に曲尺を当て、
    曲尺の左端とビットの右端の間の距離を、ドリル上端と下端の2ヶ所で測定。



<結論>
     詳細は下記の表の通りですが、結論的に言えば、長手側・妻手側とも、奇しくも最大誤差1.7%
     という結果がでました。
     これは30mmのダボ接ぎに照らせば、最大で約 1/4mm の誤差ということになります。
     私の工作レベルでは言うことはありません。
     この後、上述の板作りに入りますが、サンディングだけで充分の結果が得られるものと考えます。
     いろいろありがとうございました。

<測定結果>      (下記表で黒数字は測定値、青数字は計算値)

     注(1)  ビット全長 92.8mm - 設定深さ 16.0mm =設定高さ 76.8mm
     注(2)  =ビット全長 92.8mm - 「ビット高さ」
     注(3)  =「深さ」 - 設定深さ 16.0mm
     注(4)  =誤差値 ÷ 設定深さ 16.0mm x100 (%)
     注(5)  =曲尺幅 15.6mm + ビット径 6.0mm + 隙間
     注(6)  =「下部」 - 「上部」
     注(7)  =「差引傾き値」 ÷ (「上部」と「下部」間測定位置の距離 60mm) x100 (%)
     注(8)  =曲尺幅 15.6mm + ビット径 6.0mm + 木表面とビット間の距離 + 隙間
     注(9)  =「差引傾き値」 ÷ (「上部」と「下部」間測定位置の距離 75mm) x100 (%)
     注(10) ビット挿し込み前の時点でのノギスによる測定

  注(10) 注(1) 注(2) 注(3) 注(4) 注(5) 注(5) 注(6) 注(7) 注(8) 注(8) 注(6) 注(9)  
検体
No.
実測
深さ
ビット
高さ
掘削量データ 長手方向傾き 妻手方向傾き  
深さ 誤差値 誤差度 上部 下部 差引傾き値 誤差度 上部 下部 差引傾き値 誤差度  
1 16.9 76.1 16.7 0.7 4.4 21.6 21.8 0.2 0.3 28.2 27.2 -1.0 -1.3  
2 16.4 76.2 16.6 0.6 3.7 22.8 21.8 -1.0 -1.7 27.6 27.3 -0.3 -0.4  
3 18.0 75.0 17.8 1.8 11.3 21.5 22.0 0.5 0.8 28.4 27.6 -0.8 -1.1 *(1)
4 16.4 76.5 16.3 0.3 1.9 21.5 21.6 0.1 0.2 28.0 27.0 -1.0 -1.3  
5 16.2 76.9 15.9 -0.1 -0.6 21.9 21.6 -0.3 -0.5 27.6 27.1 -0.5 -0.7  
6 16.4 76.5 16.3 0.3 1.9 22.9 21.9 -1.0 -1.7 28.0 27.1 -0.9 -1.2  
7 16.3 76.4 16.4 0.4 2.5 21.6 21.6 0.0 0.0 28.2 27.6 -0.6 -0.8  
8 16.2 76.5 16.3 0.3 1.9 21.8 21.6 -0.2 -0.3 28.0 28.0 0.0 0.0  
9 16.4 76.5 16.3 0.3 1.9 22.4 21.7 -0.7 -1.2 26.7 28.0 1.3 1.7  
10 15.8 77.0 15.8 -0.2 -1.3 21.6 21.6 0.0 0.0 27.3 27.9 0.6 0.8  
11 15.8 76.7 16.1 0.1 0.6 22.1 21.7 -0.4 -0.7 27.0 27.8 0.8 1.1  
12 16.4 77.6 15.2 -0.8 -5.0 21.7 21.6 -0.1 -0.2 26.6 27.3 0.7 0.9  
13 15.9 77.0 15.8 -0.2 -1.3 22.0 21.6 -0.4 -0.7 27.2 27.6 0.4 0.5  
14 15.7 77.1 15.7 -0.3 -1.9 22.0 21.7 -0.3 -0.5 27.0 27.5 0.5 0.7  
15 16.0 76.8 16.0 0.0 0.0 21.6 21.5 -0.1 -0.2 27.8 27.8 0.0 0.0  
16 16.1 76.6 16.2 0.2 1.3 21.5 21.5 0.0 0.0 27.7 28.0 0.3 0.4  
17 16.2 76.6 16.2 0.2 1.3 21.6 21.6 0.0 0.0 27.0 28.0 1.0 1.3  
18 16.4 76.2 16.6 0.6 3.7 21.6 21.8 0.2 0.3 30.1 28.7 -1.4 -1.9 *(2)
 
Average 16.3 76.6 16.2     21.9 21.7     27.7 27.6      
Max 18.0 77.6 17.8 1.8 11.3 22.9 22.0 1.0 1.7 30.1 28.7 1.4 1.7  
Min 15.7 75.0 15.2 0.0 0.0 21.5 21.5 0.0 0.0 26.6 27.0 0.0 0.0  


          *(1) 著しくご機嫌の悪い状態での作業であったようだ。
              なお、検体No.と作業の順番は異なります。
          *(2) 掘削ポイントの著しいズレが原因でしょう。

以上