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作り方が原因での失敗例
2006/05/26

 今回は失敗談をひとつご紹介したい。 
 昨年隙間収納家具製作を依頼された知人宅を訪問する機会が最
 近あったのだが、嫁入りした娘?はちゃんと働いているかな? と
 点検したときに、ライティングボードの前板が上向きに傾いておかし
 な感じになっている事を発見した。
 出し入れに不具合があるわけではないのだが、はて?おれはこん
 ないい加減な造り方はしなかったはずだが! とライティングボード
 を外して眺めつ透かしつしているうちにとんでもないことを発見し
 た。 (左の写真は完成当時のもの。)

 それはライティングボード全体が前後に反り返っていることだった。
 このライティングボードの左右の端にはスライドレールが固定されて
 いるのだが、そのスライドレールは反りを抑えようとしているものの
 耐え切れなくなって今にも曲がりそうな気配になっている。
 知人には訳を話して前板とボードの間を切断しボード部分だけを作
 り直す(前板は再利用しないと色が全く合わなくなる。)ことで了解
 を取り家に持ち帰った。

ドライバーで一番奥のネジ1本ずつだけを残して左右のネジを緩めどの程度の反りが出ているのか取り敢えず確認してみた結果が次の写真なのだが、レールがある程度反りを抑えていたのが一気に表れてすさまじい量になっている。

一番左側のレール固定ネジだけを残してネジは全て外し、ライティングボード底面裏側を右側面から見た所。 右側に隙間が見える。

その隙間のアップ。 なんとレール面から板の面の間には13mmの隙間が出来てしまっている。 これはすさまじい!!

右真横から見た所。 前板とボードの接着は90度を保たれているが、ボードが反っているので前板はこんなに上を向いてしまっている。

同じく後方から見た所。 前方に向かって板がせり上がっているのが判る。

こうなってしまった原因は幾つかの条件が重なっていると思われ、

  ・ボードの材料にムク材を使ったこと。
  ・ニスを塗った後の上下での収縮の違い。
  ・トレイ部分の繰り抜きが悪さをした。
  ・表と裏の材料が違う。


などが原因として想定されるが、最後の異なる材料の使用が最も大きいのではないかと考えている。

 実はこのボードの厚みは18mmあるのだが、14mmの材料と4mm
 材料の貼り合わせにした。 そうした理由はボード左手にペン皿を彫り
 こみたかったのだが、14mmの板部分を繰り抜いてその裏に4mm
 底板を貼り付けるのが最も外観的に美しくなるだろう? と考えたため
 だ。

 但し14mmの部分はムク材で4mmの部分はシナ合板と違った材料に
 なっている。 この違いが収縮率の差につながり反りの原因になったと
 思われる。

 少し詳しく解説すると、私は反りやあばれが出やすいのでムク材はあま
 り使用しないのだが、この部分だけはトレイを削った断面を綺麗に見せ
 たいために合板を使わなかった。  無論充分に乾燥した材料を使って
 はいるのだが、接着時に吸い込んだ水分や塗ったニスなどによる膨張
 の仕方が表裏で違うまま接着剤は硬化し、その後の乾燥収縮がこれ
 また表裏で異なるためにそりの発生へと繋がったというメカニズム!と
 想像される。

 抜本的な解決策として18mm厚のシナ合板を材料として使いトレイ部
 分はディッシュカービングビットで繰り抜き、繰り抜いた断面が綺麗でな
 いのはそこだけペイントで塗りつぶすくという方法を考えているのだが、
 ディッシュカービングビットは大変高価だしトレイ部分も木目を出したい
 ので、他の方法を未だ模索中だ。 最終的な対応法が見つかったら紹
 介したい。

猿も木から落ちる!(そう言えば私は申年!) というお恥ずかしながら最近発見した失敗例だ。 皆さんも材料の使い方にはくれぐれもご注意を。 高級材料とか安い材料!などとは全く違う概念のしかし大きな問題が潜んでいる。 今回は容易に修復可能なのでその意味ではラッキーだった。



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