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板の反りとそれらへの対処法
 
2006/07/07(以前D.I.Y.雑談に含まれていたものを再編集しました。)

合板を始め天然ムク材でない材料は「反りが少ない。」と言われるが、それは比較上の問題であって実際にはかなり反っている材料を発見する事があるし、また製作上のミスで反りが増えてしまう事もある。 その様な場合の処置ひとつで作品の出来映えが大幅に違ってしまうのはあきらかであるので、私なりの方法論をお話しようと思う。

● 材料購入時の対処法。

シハチのシナ合板は需要が低い事から材木店には在庫されていない事の方が多く、材木問屋にその都度発注ということになる。 従ってどのような保管状況になっているのか定かでないが、一番端の材料の表面はかなり乾燥しており、間に挟まれた材料は水分の含有量が高いのではないかと推測している。 そうだとすると、端っこの材料は必ず反っているはずである。 このような材料は反りが問題ない(強制的に修正される部材用か寸法の小さな部材用)に使う。

矯正しにくい部材としては縦長の1枚板の扉がその典型であるが、材木店で切断してもらう時には事情を話して、反っている材料をそういった部材切り出しに使わないようお願いする事が大事である。(反っていない物のみ選別して購入する事はかなり難しいと考えた方が良い。 シハチのシナ合板の需要が少ない為選別したのでは販売店としては割に合わなくなってしまう。)

● 材料購入後に反りを発見した場合。

不幸にして購入後に反りを発見しそれが致命的となる部材に引き当てられていた場合の方法は3つある。 第1は未塗装の場合で、反りを強制してから使う方法である。 反りの内側の面を塗れ雑巾で濡らしてやり十分に水を沁み込ませる。 そして反対方向に反るような力を加えて数日間寝かす。 どの程度の逆反りの力を加えれば良いかはやってみないと判らないためカットアンドトライになってしまいかなりの時間が掛かるのが泣き所である。 これで反りが矯正できる理屈は、水を吸った木の繊維が反りと逆方向の力を加えることにより繊維が伸びる事による。 この原理を積極的に応用すると曲面の板を作る事も可能である。

第2は塗装をして完成した後に時間がたつとともに反ってくる場合に使う方法である。 夏の湿度の高い時と冬の乾燥した時とで反り方が変わる。なんていう場合もある。 これらは非常にいやらしい反り方で頭に来るが、前述のような方法は取れない。 塗装が邪魔をするからである。 このような場合には荒技に近いが、反りの内側の面に反りとは直角方向の刻みをカッターナイフで入れてやる。 反りの量にもよるが、1-3cm位の間隔で、表面材が分断する1mm程度の深さ迄で切り込むのである。 その後この切り口に水をしみ込ませて逆反りとなるような力を加えて矯正する。 反りが矯正出来たら切り口をパテで埋めて再塗装すればよい。 大変手間がかかるが他の手はない。

第3の方法は扉反り矯正金具なるものを使う方法だ。 アトムリビンテックはその様な金具を販売している。 どちらの方向の反りにも対応でき強制力の調整はスパナで簡単にできる。 簡単に実施可能と言う最大のメリットはあるが、非常に目立つ代物なので外観に対する影響が大きいから扉の裏側に使用するしかない。 洋服ダンスの縦長の扉などには使えそうだ。 カットアンドトライはどうも?という向きにはお薦めの部材である。



板の反りとそれらへの対処法・補足

読者の方からお便りを頂き、合板で家具を作るのは無理なのでは?とのコメントを寄せられた。 また余りにはしょり過ぎた面もあるので、誤解を招かない為に補足説明をしておきたい。

1.私の言う反りの程度

前回の説明では反りの程度について全く触れていなかったが、私が問題としている反りはそれほど大きいものではない。 実例で言うと寝室の収納家具(クローゼット)の扉がそれで、高さが1945mm1494mm1196mmの3種類あるが(幅は全て382mm)、観音開きの夫々左右の扉の段差が最大で1.8mm3.3mm3.0mmある。 扉の長さに対して0.09%0.22%0.25%の段差だ。 ここで段差としたのは左右の扉の反りが同じ量であれば段差は無くなり、反っている事には気づかないだろうということだ。 正直言うと材木屋さんから納入された時には見逃していたのだが、最終切断する時になって気がつきより長い扉を優先して反りの量が近しい物を組合わせたため、率的には短い扉の方が反りによる段差が大きくなっている。 それらの段差は面白くないには違いないが季節の変化(湿度の変化と考えてよい。)で変わってくることもあって矯正しないままにしている。

2.反りを目立たせない加工組立

側板など構造的な部分では大きな板がその中間で何にも支えが無いということは大変少なく、反りがあっても矯正するのは簡単であるし、事実上気にする必要はない。(個室1の収納家具の右から3番目の側板がそうだったが、簡単に矯正できた。) しかし前述でも触れたように観音扉などを作る場合で幅が狭く高さの高い場合は反りによる影響が出易いので、反りの絶対値よりもそりの傾向の同じものを左右に配置する配慮が必要だ。 そして扉の両面の仕上げを同一にすべきである。 塗装仕上げでも表と裏の材料を替える事は湿度の変化による収縮率の違いから反り具合が大幅に変化する。 無論片方だけの塗装は更に良くない。 桟や添え木を当てて反りを強制的に修正する方法も考えられるが、細い材料であると効果は殆ど無い。 その様な事をするくらいなら加工の手間がかかるが、フラッシュ構造としてしまったほうが良い。 但しこの場合の扉の厚みは最低でも2.7mm+20mm+2.7mmの合計25mm強位の厚手の物としないとやはり反りが発生する危険があるし、捻じれ、撓みの問題もあるので全ての面で有利とは言いがたい部分もある。

3.合板の反りについて

上記でも述べたようにたまに発見する反りと言ってもその絶対量はかなり小さい。 1%もあれば大変な量だ。(シハチ合板の長手方向で24mmという事になる。) 実際には0.2-0.3%辺りの反りで気がつきだす。 但し合板の中でも安いコンパネとなると話はかなり違ってくる。 反りの絶対量が多いだけでなく、波打ったように複雑怪奇な物を多々発見する。 これらは反りという問題点を最初から無視している作り方が原因であり、良し悪しを論ずる事自体全く意味をなさない。 かく言う私も20数年前に始めてコンパネで作った大きな収納ボックスが結局物にならなかった苦い経験をしている。

このコンパネで家具を作ろうという発想は、いくら材料が安くても副次的に出てくる問題の対処の為に大幅な手間がかかりその割には外観はみっともないままという銭の無駄遣いにしかならないので採用しない方が賢明である。

私にメールを寄せられた方は、ホームセンターで売られている合板は家具には向かないのでは? と言われていたが、これはどちらかというと誤解であると思う。 むしろ購入先がホームセンターであろうとなかろうと、長い間在庫しているような物は反りがひどくなっている可能性が高いということと、客が選別してしまうため反りの多いものが残っていることが多い! と考えた方が良い。 余談ながら私の知人の特注家具を請け負っている方によれば、彼らプロの世界では、材木問屋から入った材料を選別して反りの大きい物と少ない物を分けて、反りの大きい物は影響度の少ない部材に使用する。とのことであった。 という事であれば、我々が経験する反りの問題も充分うなずけるが、さりとて我々アマチュアには余りにも使用量が少ない為、残念ながら真似の出来る芸当ではない。

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