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デジカメをD.I.Y.に活用
 
2006/07/07 (以前D.I.Y.雑談に含まれていたものを再編集しました。)

これまでの銀円カメラを駆逐寸前まで急速に普及しているデジカメだが、銀円カメラとは違ったデジカメなればこそ!の使い方が実はある。 それらはD.I.Y.においても大変便利であるので述べてみることに下。 私が感じている重要度というか有難味の順序で並べたので、使用目的によってはその順序は入れ替わると思う。

本題に入る前に私の使っているデジカメについて簡単に触れる。 現在主力に使っているのはCANONPower Shot Pro1というモデルで、数年経つと前時代の遺物!?になってしまうデジカメに多額の投資をしたくないため店頭展示処分品を安く買ったものだ。 その以前の購入歴はCANONPower Shot A5(80万画素)NIKONCoolpix 880(300万画素)Coolpix 4500(400万画素)なので、4代目ということになる。 面白くないのはPower Shot A5Coolpix 4500はどちらも壊れており修理見積もりをしたら数万円ということであきらめた(それだけ投資する価値がない!)点にある。

1.低いランニングコストとリアルタイム処理
このサイトのコンテンツには多量の写真を使っているが、撮影後にパソコンに画像を転送して Adobe Photo Shop或いはPaint Shop Proで画像処理した上で使用している。 既にこの目的だけでサイトを公開以来40,000枚ほど撮影(実際に使うのはかなり少ないが)している。 これを銀塩写真でやったらフィルム代・現像代を考えただけでも気が遠くなる。 デジカメの場合のランニングコストは充電地とメモリーカードの寿命で(これまでに5年間で4万円ほど使った。)電気代は取るに足らない。 

更に処理時間の違いも全く無視できない。 画像処理している最中に何らかの理由で撮りなおししたいと思っても、ホームページに貼りつけるまでにデジカメで撮影すれば15分以内に終わる作業が、銀塩写真であると数枚の写真の為にフィルムを1本消費し現像代も1本分の費用が掛かり更にスキャナーでの処理。 合計処理時間についてはもう触れる必要もあるまい。 よって週1のホームページアップデートを考える場合には大問題になる。 

リアルタイム処理を要する使用目的はサイトの運営のみならず、報道写真など多方面にあるが、現像処理の必要が無くスキャナーを使う事無しにディジタルデータとなった画像ファイルをコピーしたり、遠くへ(地球の裏側でも!)即転送できてしまう点は、なんといってもデジカメの最大の利点であり出番だ。

2.撮影画像をパソコンで処理或いは自前のプリントアウトを撮る
1.との違いはリアルタイム性を余り要求しない場合であるが、これもデジカメのほうが圧倒的に投資効率が良い。 デジカメであれば撮影と同時にディジタル画像ファイルであるからパソコンに取り込めるし、カラープリンターでの印刷も簡単。 年賀状を作り始める11月からが最もプリンターが売れる時期だと言われるが、この使い方が、一般的なデジカメならではの使い方のナンバーワンかも知れない。

 3.接写
 アダプター無しでかなり被写体に近接した撮影が可能なデジカメが多い。 私のCoolpix880の場合スペ
 ックではレンズ先端から4cmまで接写可能となっているが、それがどのくらいになるかとノギスのバー
 ニア目盛を実写してみたところ、画面の長辺に約23mmが目一杯に写った。 長辺は2048ピクセルで
 あるから、撮影した物体の1mm辺り89ピクセルで表現していることになるが、実際に撮影した時の分
 解能はその10分の1(そうなる根拠は特に無いが経験上)とすると、0.1mm迄分解できることになり、
 これでもかなりのものだ。 無論アダプターなど一切使わないし接写専用のレンズも必要としない。 

調子に乗って私が気に入っている星座板付き腕時計を撮影してみたのが次の写真。 まるでレンズのテストをしているようなものだが、安直に撮ったため周りの写り込みがごちゃごちゃあるものの、その合間に普段は全く気づかなかった星座絵や天の川まであったのには改めて吃驚した次第。 こうなると銀塩写真よりも遥かに気楽に接写が楽しめる訳で、D.I.Y.の製作記録などでふんだんに接写した写真を折り込んでおく事が可能だから、記録の中身の濃さが一段と高まる。

傑作なことに高級機と考えられている1眼レフタイプのデジカメよりもコンパクトな一体型のデジカメの方が接写能力が高いことが多く、私が1眼レフタイプにあまり乗り気になれない理由の一つになっている。

3.デジカメを機械の分解・組立の助けに使う。
世の中にはメカキチという機械・機構等に特に興味を持っている人たちがいる。 私自身もその端くれと自認しているが、いささか困った習癖がある。 興味を持った機械を分解してその仕組みの深部を見て楽しみたいという願望なのだ。 これがその機械が壊れていて修理しようというのであればまだしも、全く不具合が無いにもかかわらず分解してしまうケースもある。 そして分解はしてみたものの、再組立がうまく行かなかったり、ネジが1本余っちゃった!さあどうしよう? なんて事をやってしまうのである。 今までにあえなくその犠牲になったカメラ、時計、CD-ROM、等ゝどれだけあったろうか。

 しかしデジカメの登場で、以上のような問題(分解した順序と全く逆の手順で組立てられない。組立工
 程それぞれで使ったネジ/部品を完全把握できない。
)を完全に解決できる。 
 左の写真は旅行用の目覚し時計の裏ブタを外した所である。 これをクリックすると分解の工程毎に撮
 った写真を見れる。各写真の右側には外していった部品を順番に並べて一緒に撮影した。 もう説明の
 必要も無いだろうが、この一連の写真を逆にたどりながら組立てて行けばネジが余ること無く、何処に
 付く部品か考え込むことも無く完全に元通りになる。(無論部品に傷をつけなければの話だが。)
 実際の画像は解像度が334万画素なのでもっと鮮明に、隅々まで良くわかる。 
撮影枚数が何枚になろうと終了したら全部削除してしまえば良く、充電池しか使わない私にとってランニングコストは極めてわずかだし、フィルムを現像に出す時間も必要無いわけだから時間的な効率も良い。  
この目的での使用頻度は低いがごりやくが大きいため、デジカメならでの使い方のナンバーワンに挙げたいくらいだ。

その延長線上というかD.I.Y.で色々な作品を作る際にはその製作過程を是非ともデジカメで撮影しておきたい。 ランニングコストは安いし失敗した写真は消去すればよいので気軽にパチパチと撮影しておこう。 接写に強い点も説得力のある記録を残すのに有利だ。 そしてその中から選んで是非とも「読者の作品欄」に投稿していただきたいと思う。 銀円写真ではコストと手間の問題もありなかなか実施しにくいが、D.I.Y.の記録と言うのはデジカメがその優位性をフルに活躍できる機会だ。

 4.極めて低い位置、高い位置からの撮影。
 レンズ部分や液晶モニターが回転する或いは角度が変えられるタイプであればアダプター無しで実現できる。
 視線の高さというのは面白いもので、地上に近い位置からの眺めは例えば動物や虫の目線になり大変面白
 い映像が撮れる。 不思議なアリスの国の世界といったら良いだろうか。 作例の写真は撮影角度が僅かに
 俯瞰するような位置で我が家の次女?を撮ったもので、これを見ていると彼女?と自分が全く同類であるよう
 な感覚がでてくる面白さがある。 この場合たまたま犬が画面には写っていない階段の上に座っていたため
 レンズが回転しないCoolpix880でも撮影できた。 階段がないとしたら、レンズ回転式でなくては撮れない
 シチュエーションである。 
 また高い位置からの撮影の必要性はどのような場合かというと、人ごみの中で数m先を撮りたい? なんて
いう時に発生する。 上背が164cmしかない私でも真っ直ぐ手を上に伸ばしてカメラを支え、液晶モニターは自分の方へレンズは被写体へとすれば簡単に解決するが、レンズ回転式のデジカメを持たない私としては次世代のカメラ購入時の課題である。 これらを銀塩カメラで実現するとなると特殊なアダプター(アングルファインダー、アクションファインダー)が必要になったり、ファインダーを覗かねばならない煩わしさがある。

5.撮影者自らを撮影
これは改めて言うまでも無いがレンズ回転式のデジカメで簡単に実現できる。 カシオが最初の普及型のデジカメQV-10を発売したときも、自分で自分の撮影が簡単に出来ます。 というセールストークを聞いた記憶がある。 その鍵は回転式のレンズにあるのだが、最近ではそのようなデジカメは以前より減っている。 通常の銀塩写真では撮影画面の確認のしようがなくでフレーミングをするしかなく失敗率も高いので、相変わらずデジカメならでの優位性なのだが。 

6.長時間露光
デジカメの撮像素子であるCCDを使った長時間露光は、天体撮影など大変暗い物体の撮影に使われ出し銀塩写真より優位な点を幾つか語られてきている。 銀塩写真ではフィルムが長時間露出時に実効感度が大幅に下がってしまう(専門用語では相反則不軌という)のに対し、CCDはその様なことが無く通常は写らないような光害の多い都会でも星雲のような暗い被写体の撮影できてしまうという。 但しノイズが発生し易くなるため長時間露出(数分から数十分)の場合には、撮像素子をドライアイスやペルチェ素子などで冷却するなどの対策をしないとならず一般的ではない。 しかし最近の撮像素子の改善には目を見張るものがあり、ISO1600程度の高感度で撮影してもノイズの発生はかなり低くなり、アベイラブルライト(Available light そこに存在する明るさの意味)の撮影でストロボを使ったときの不自然さを無くした撮影はデジカメの方が有利になってきつつある。

ということで、デジカメであればの優位点にざっと触れてみたが、D.I.Y.の中に深く取り込める機材だ。 

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