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ワンちゃんのお勉強道具
22003/11/28

ワンちゃんのお勉強道具

構 想
     我が家のデミちゃん。 お利巧なのか?そうでないのか??
 我が家のワンちゃんは2歳メスのミニチュアダックスフントで、
 デミちゃんと言いますが、どうも頭が良いのか悪いのか判断に迷う
 ところがあります。

 例えば頭が悪いのでは?と疑問に思うのは、
 夕方餌をやるときに犬であれば普通教えれば覚えるであろうチンチ
 ン、オテ、オマワリなどの芸をいくら教えようとしてもだめなのです。

 逆に頭が良いなあ!感心するのは、
 大好きなのでこれまでに20個近くのぬいぐるみを買い与えそれぞ
 れに名前を付けてやっているのですが、かなり高い正解率で指定
 したぬいぐるみをくわえて持ってきます。 大好きなおやつの時間に
 なると、相手の家人の好きなぬいぐるみを持ってきてねだります。

 更に吃驚することは、我が家では毎日やってくる豆腐屋さんからト
 ウフなどを買うのですが、その豆腐屋さんのラッパの音が聞こえる
 とワンワンと教えるのですがこれだけではありません。

実は毎日回ってくる豆腐屋さんはもう1軒あり、やはりラッパを鳴らしてきますがこちらでは買いません。 そしてこの豆腐屋さんのラッパには全く反応しないのです。 我々人間の耳ではそのラッパの音色の違いがわからないのですがデミちゃんのワンワンで、「さあお豆腐を買ってこなくっちゃ!」として、これまで全く間違いがありませんでした。

従って冒頭の頭が良いのか?悪いのか?と悩んでいるわけですが、ひとつお勉強道具を作って知能の程度を試してみようか? と考えました。 


 設 計

 暫し頭の中で考えてこれで試してみよう!と設計図としてまとめたものは左のようなものです。 設計図
 なんて言うのもおこがましいくらい簡単な構造で、寸法変更の自由度が高いですから、適当な手許の端
 材を流用して作れると思います。

 主材は18mm厚ラワン合板です。 上下の板はそれぞれ直径300mmの円です。 上の板には35φ
 穴を1個所あけその後ラッパ状に削ってやります。 下の板には同じ35φで深さ15mm程度の座繰り穴
 (貫通していない)が8個所あいており、これらの穴は中心から120mmの所にあけられています。
 下の板の中央にはのラミン棒を接着し回転軸となります。 上の板にはの貫通穴があいていて、
 4mm厚3枚の板を貼りあわせて覆ったフィルム缶のキャップを軸受けにしています。

たったこれだけの構造ですから全ての寸法をかなりの自由度で変更可能です。 少しだけ注意するのは下の板にあける35φの座繰り穴は餌を入れるポケットになりますから12mm位の深さにしたいところです。 また下の板を12mm合板と薄い板の貼り合わせにしてしまえば、12mmの合板に貫通穴をあけても座繰り穴をほったのと同じことになりこの方が工作は簡単かもしれません。


材 料
木材: 私は手持ちにこだわった為18mmラワン合板としていますが、上の板は12mm、下の板は12mm3-5.5mmの薄い板の貼り合わせとしたほうが合理的です。(理由は後述します。) 材質は何でも良く、価格の安いコンパネOSBMDFなどが良いと思います。  またフィルム缶キャップを固定するため4mm厚合板が少々入ります。
ラミン棒: のものを回転軸として使いました。 今回の目的には十分な強度が取れると思います。
フィルム缶のキャップ 35mmフィルムが入っていた缶のキャップです。 手許に無ければD.P.E.店で分けてもらいましょう。
工具・道具
電動ジグソー: 円を切断するのに使います。 ノコ刃は曲線用が必要です。
電動ドリル: 出番の多いFDD-1000ではちょっと非力すぎるので、本格的な電動ドリルとします。(とはいっても1万円程度で購入可能なものです。)
木工キリ: 35φの穴あけには座繰り穴とするため私はフォスナービットを使いましたが、前述のように下の板を貼り合わせとするなら木工用可変ビットでもOKです。 可変ビットの場合直径を調節できますからその場合には穴径を40φ位に大きくしたほうが良いでしょう。  またの木工或いは金工のドリルが必要です。
木工ヤスリ: 円切り部分の仕上げとささくれが出ないように削るのに使います。 特にささくれはワンちゃんが怪我をしますから念入りに落とします。
木工ボンド: ごく普通の物です。
塗料: ここでは乾燥が速い水性のペイントを使いました。
 


製作の詳細

これまた説明の必要も無いでしょうが以下の写真で作業手順をご覧ください。

直径300mmの円盤を2枚18mm合板から切り出します。
(板の面が白いのは以前塗装されていたものを流用したためです。)

上板に1個の貫通穴、下板には8個の座繰り穴をあけます。

こちらは上板で35φの貫通穴です。

こちらは下板の35φ座繰り穴で深さが12mmあります。

ワンちゃんが餌をとりやすいように、貫通穴の周りをこのように削りました。

座繰り穴の縁も角を軽く落とします。


 作ってみて上板の18mm合板は厚すぎることに気づきました。 或いは穴径が小さすぎるのかもしれません。
 上のように斜めに削って何とか餌に届くようになりましたが、それでも鼻の頭が斜めの部分に当たります。 従って主材を
 12mm合板とし、下の板は12mmに薄い合板を底に貼り、穴径は40mm位にしたほうが良いと思います。




上板の角を丸く木工ヤスリで削りました。

上板にはの貫通穴を、下板には深さ15mmの座繰り穴をあけました。

下板の中心にラミン棒を切ってボンドで固定します。(ラミン棒は長めにしておき後で削って調節したほうが良いです。)

フィルム缶のキャップの裏側です。 真中の丸い出っ張りが丁度良い軸受けになります。

直径35mmでくりぬいた4mmの板2枚にもう1枚の4mmの板を貼りあわせて、直径55mmで切断して作ったフィルム缶キャップの押さえです。
(キャップは接着剤がつかないのでこのように固定しています。)

フィルム缶キャップ押さえを上板に木工ボンドで貼りました。 (裏から見てキャップの丸い出っ張りが中心に来るよう調節します。)

このように4色の色で穴、穴の周り、側面を塗り、位置が判るようにしました。

最後にラミン棒の高さを削りながら調整。 2-3mm浮き上がっている所が良いでしょう。

 完成したお勉強道具! ほんの僅かな力で上板はどちらの方向にも回転します。 デミちゃんがうまく要領を覚えてくれ
 ると良いのですが?



最後に使い方というか私が想定した学習方法?について簡単に説明します。

先ず上板を外し下板の穴8ヶ所全てに大好きな餌を小さくして入れ、上板を載せ丸穴が一致しない所にセットします。
これでワンちゃんは餌の匂いがするはずですから探そうとすると思います。 上板はごく僅かの力で回転しますから、鼻先や前足をちょっと引っ掛けた程度でも動かせますので、そのうちに上板と下板の穴が一致して餌が食べられるようになるでしょう。

これを繰り返しているうちに、上板を回せば大好きな餌にありつける!ということを覚えるはずです。(本当かなあ・・・?!?)

もしここまで旨くいったら、4色に塗り分けた色の1つにだけ(2ヶ所)餌を入れます。
そうすると餌の匂いがするから上板を回転してありつこうとしますが、ある色の穴の所にこないと餌をとれません。
これを繰り返しているうちに、一定の色の所に穴が来ると餌にありつける!と覚え、あまり時間が掛からずに餌をとることが出来るようになる! (そんなに旨く行く訳ない?!?)


というのが、私の描いたシナリオです。

残念ながら我が家のデミちゃんはペンキの臭いが嫌いなようでまだ実験に(というかお勉強に)入れません。 今回製作したものが目論見どおり使えるかどうかについては追って報告したいと思います。デミちゃん ガンバレ!!

----- 完 -----



2004/01/16

デミちゃんのお勉強風景

その後実際に使ってきた様子をお知らせします。 ひとつだけお断りしておきますが、固定板のほうを色で塗り分けたのは殆ど私の早とちりで、動物は色彩に関する感覚がかなり低い(ゼロではないと言われているが)ので、余り意味がありません。 逆に嗅覚は人間より遥かに鋭敏ですからこの場合色については全く効果がないと思います。

色による判別は出来ないのとうまく上の円盤を回す知恵がついていないので総ての穴に小さな餌を入れ僅かにどちらかに円盤が回れば餌にありつけるようにしてあります。 (角度にして22度ほど回せれば良いことになります。)

それと我が家のデミちゃんは軽い力で動く引き戸であると鼻先で開けてしまいますが、その場合左から右に移動する方向に限られ、逆方向は開け方が判っていません。 これも頭に入れておいて実験しました。 

餌の匂いのする位置をしきりに嗅ぎながら鼻先が板を少ずつ回しています。 但し引き戸の時とは逆方向。 極僅かな力で回るせいでしょうか?

匂いが近くなってきたら上から鼻先を突っ込んでごそごそやっているうちに段々餌のある位置に近づいて行きます。

遂に餌に到達。 1分近くかかりましたが、なんとかありつけました。

お父さん食べちゃったよ!!とでも言いたげなデミちゃん。 よかったね!

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