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観葉鉢カバー
2002/09/26
キャスター付き観葉鉢カバー

 今回ご披露するものは難しい作業はないものの、加工・作業
 の量が多い為根気が要る部類に入ります。 
 日曜大工教室では後述するあらかじめカットされた材料を皆さ
 んに配布して作業に入り、塗装までを含むフルコースを1日か
 けてやりました。 

 そういうことで初心者にはちょっと重たい作品ですが、市販品
 には余り見かけないものですので作る価値は十分にあると思
 います。

 また組み立て方を工夫しないと物にならないくらいいびつにな
 ってしまう可能性がありますので、そのあたりの手順に十分配
 慮してあります。

 特殊で高価な材料を使っているわけではありませんが、たまた
 ま採用した塗料の色が実に上手くマッチしており高級感を漂わ
 してくれます。


材 料

 1.SPF材
   SPF材の中でワンバイ材と呼ばれるものを使います。 1枚の寸法は幅88mm、長さ1830mm、厚さ19mmで、計5枚使いま
   す。  この他に底板用として300 x 300 x 15-20mmのものを1枚必要ですが、手元の端材を上手く使ってやればよいと思い
   ます。 前者について教室ではワンバイシックス(146 x 1830 x 19mm)から切り出したものを使用しています。
   詳しくは加工の項も参照ください。

 2.ネジ
   スレンダースレッドネジ又は軸細コーススレッドネジで直径3.3φ長さ45mmのものを32本、35mmのものを105本使います。
   継続して日曜大工をやられる方は箱単位で買ってしまったほうが良いでしょう。(長さにより異なりますが800-1200本程度
   入っています。)

 3.隠し釘
   上部の飾りぶちの固定は木工ボンドでやりますが、固着するまで密着度を上げる為隠し釘を使います。
   長さは36mmで12本使いました。

 4.塗料
   今回はアサヒペンのガーデンカラーと呼ばれる水性の屋外用塗料を使いました。 
   これには木目が見えるステイン系と木目がつぶれてしまうタイプとありますが、前者を選んでいます。 量は最も小さな1/5リ
   ットル缶ですが今回の作品では3回塗りも可能な量です。  色は大変珍しいワインレッドを採用しました。 完成後はあたか
   もローズウッドで作ったような高級感を醸し出してくれ、教室でも大好評でした。

 5.キャスター
   ゴム製車輪で高さが42mmあるものを4個使用します。 軽加重用ですが1個あたり12kg程度まで耐えられるので今回の目
   的には十分です。


使う道具・工具

 1.ノコギリ
   曲線カットが主体となる為電動ジグソーが必要です。 手作業では回し引きノコということになりますがカット量が多いので作
   業効率は大幅に変わります。

 2.電動ドライバー
   100本以上のネジを手締めでというのは大変厳しい作業になりますので電動ドライバーをお薦めします。 ここでは\4000程
   で購入可能なリョービのFDD-1000を使用しました。 ふところの狭い所も小型の為作業がやりやすいと思います。

 3.木工ヤスリ
   片面が粗目、反対側が中目のものと、薄い金属板を使ったものを使用しましたが、切断面の仕上げに使います。

 4.カンナ
   面取り用に使います。 木工ヤスリやサンドペーパーで代用してもかまいません。

 5.サンドペーパー
   #120と#240があればよいでしょう。 塗装前の仕上げに使います。

 6.曲尺(指金)
   線を引く、直角が出ていることを確認する、などに使用します。


 設計

 板取りを良くしながら材料の節減を図る為何度か寸法の変更を加えて
 決定しました。 外観寸法は左の図を参照してもらうこととして実際の
 使用には10号鉢で鉢の縁の外形が310mm迄のものであれば入りま
 す。 深さは325mmあります。

 底には高さが42mmのキャスターを取り付けますが、底板の下面は
 27mm上にずれていますから最下部とキャスターの隙間は15mm残り
 ます。 この隙間はキャスターが見えなくなり且つ鉢カバーを抱えると
 きに指が入る適当な隙間となっています。

 加工

 板取り図に従いSPF材5本を切断します。 これらが側板、上部飾縁、
 内部に使う連結棒となります。 側板の片側は斜めに切断しなければ
 なりませんが、この寸法精度は重要ですので慎重に作業しましょう。 
 上部飾り縁は端を45度にカットします。 

 底板は2x 6材から2枚切出しましたが手元に30cm角で15-20mmの
 端材でもあればそれを利用しましょう。 底板は角を斜めにカットします
 が、連結棒が当たらないようにする為です。

組み立て

 次の一連の写真に従って最終加工と組み立て作業を行います。

側板の直角に切断された側の長いほうの端から20mm、40mmの位置に印を付け写真のように並べます。

左写真の作業の参考図です。
印と並べ方のクローズアップです。 右上の参考図も併せて見てください。

20mmと40mmの印の間に直線を引きます。 
この時斜めにカットした木口と直線の位置は一致します。
また端の丸め部分を直径10cm位の缶などを使って線引きします。
 
線引きが終了した時点でのクローズアップです。
丸め部分を電動ジグソーで切り落とした曲線部分を木工ヤスリで念入りに仕上げます。 そしてこのように再び側板を並べます。

次に内部連結棒の部材を45mmのネジでL型に4組 組み立てます。


L型の連結棒を並べた側板の内側の線に沿わせて35mmのネジで固定します。  左写真の作業の参考図です。

側板Bと側板Dを左側に当てて固定します。 もう1組を同様に組み立てます。 2組を連結させますが、連結位置はあらかじめ引いた線の位置となるよう調節します。

側板Cを固定し次に側板Aを固定します。 反対側の面も同様です。

底板受け棒を固定します。位置は最下面から2mm上にずらした所です。

底板を35mmネジで固定した所です。 この写真は2枚板の例です。

上部木口面が水平になるようカンナで削った上で飾り縁を乗せて位置を確認します。

木工ボンドを使って飾り縁を固定しますが、隠し釘で固定し密着度を上げます。 飾り縁を全て固定した所。 3時間経ったら隠し釘の頭を払って落とします。 以上で完成です。


組み立てが終了しましたら塗装前の研磨を念入りに実施します。
塗装工程以降の詳細説明は省きますが、水性塗料は乾燥時間が短く1回塗りが終了すると最初に塗った部分は指につかなくなる程度に乾いているはずです。 更に30分程度寝かせた上で2回塗りしますが、この時重ね塗りする際通常行う表面研磨はしないまま塗りました。(あまりデリカシーの要求されないケースである為で例外と考えてください。)

2回塗り終了後30分経ったら底にキャスターを取り付けます。 キャスターを回転させて周りに当たらない位置を確認して取り付けます。
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