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折畳式ティーテーブル
 2003/05/15

 「折畳式ティーテーブル」

 折畳式テーブルで我々日本人にとって一番なじみが深いのは、卓袱台
 (チャブダイ)ではないかと思います。

 畳の上に座って食事をとるのに何処の家でも使われていました。
 使わない時には折りたたんで部屋の隅に立てかけて部屋のスペースの
 有効利用が出来るというマルチユースの和室のコンセプトにぴったり合う
 家具の一つでした。

 椅子に座って生活することが多くなった今卓袱台を使う必要性は少ない
 ですが、折畳式のテーブルと言う点でなかなか魅力のあるテーマです。 

 というようなことを考えておりましたら私の娘から10数枚の写真が送られ
   (組立てた状態。 何の変哲も無い円形テーブルです。)    てきました。 

 何かと見てみると高さが卓袱台よりは少し高い(40cm位)の円形折畳式
 テーブルです。

 10数枚もあるのは折りたたんだ状態から組立てた状態までの過程がわ
 かるようにとの配慮のようでしたが、好奇心の強い私はこれらを見ただけ
 で作品テーマに決めてしまいました。

 親父の好奇心の強さを知っている娘にそそのかされたわけです。

 どこにでも売っている物ではなさそうですが、中国製でムクのパイン材が
 使われておりニスで仕上げてあります。

 値段はかなり安いようですからもし同様のものが手に入るとしたら購入し
 てしまった方が良いかもしれませんが、それでは日曜大工にはなりませ
 んから少しでも違うものにして付加価値をつけてみたいと思います。 




    (折りたたんだ状態で厚みは8cm位でしょうか?)

 このテーブルは組立てた後のがた・ぐらつきが出にくい構造のようで、設
 計さえきちんと出来ていれば作ることそのものは難しい所はなさそうで
 す。




 ということで、日曜大工入門テーマとして現在設計中です。
 高さが50-55cm位のティーテーブルをイメージしていますが、好みに応じ
 てサイズ変更をどのようにすれば良いかの部分も含めて検討しています
 ので、製作解説は数週間後になると思います。  暫しお待ちください。





 (裏から見たところ。 大変興味ある構造をしています。)




2003/05/22
予備実験

いきなり製作してしまうのは変わった構造であるためとんでもない落とし穴に嵌る危険があるのではないかということと、好みのサイズのものを製作するときの設計の勘所を調べるため、小さなテストサンプルを作り調べることにしました。

材料は手元のあった端材を使い、部材が回転する部分はネジや釘で極めて安直に作ってあります。 以下は試作したテストサンプルの写真です。

テストサンプルを折り畳んだ状態。

同じく真横から見たところ。 厚みは天板x2+脚の太さです。

2分割された天板を広げ始めました。

天板を広げて互いに脚の先端の下に入るようにします。

両天板が密着するまで押し込めばテーブルになります。

ひっくり返して裏側を見たところ。 完全に再現できました。


基本構造が再現できたので、勘所と見られる部分を一通り分析してみました。

  1.畳んだ時の総厚さはテーブルトップの厚みの2倍に脚となる角材を足した値になる。

  2.脚は2本の角材をX型に組んだものだが、上の方の開きが小さい方が、視覚上の安定感が増すと思われる。

  3.X型の脚の下の開き加減はテーブルトップの幅とほぼ同じかそれより若干小さいあたりが良いと思われる。

  4.脚と脚を連結し回転軸となるボルトの頭は表面から飛び出ないこと。

  5.脚の連結回転軸にガタがあるとテーブルの揺らぎの原因になる。

  6.テストサンプルでは取り付けなかった揺らぎ防止の補強板は絶対に必要。

  7.この構造であると最大荷重はせいぜい10kg程度の軽荷重用と考えた方が良い。

  (チャブダイの方が荷重は多く取れると思われる。)

といったところです。



折畳式テーブルの設計方法

 以上を元に更に考察を加え、ある仮定条件を設定してテーブルの大きさを自由に設定できるしかも
 簡単な設計方法を考えました。 左の図をクリック願えれば、それをご覧いただけます。
 ここである仮定条件とはEの端から垂直に降ろした線が脚が床に接触する部分を通ることです。

 設計法の中で、設定数値を幅をもって決定できる部分が2箇所かあります。
 GEの値がそれらで、Aに対してどの程度小さくするかに幅があるのですが、大きい方がテーブル
 の安定度は良くなるものの見た感じはスマートさが失われます。

 天板の形状は円形、楕円、長方形、正方形何でも構いません。 
 円形の場合にはA=B=直径として考え、楕円の場合にはA=長径、B=短径とすれば結構です。
 正方形の場合にはA=Bです。 楕円の場合はA=長径、B=短径となります。

但し円や楕円とした場合には、GEを小さめにしないとEを固定した時にテーブルからはみ出る可能性があります。(GDは共に0.7Aではみ出ないギリギリとなり、Eは0.6Aにすればよいと思います。 長方形、正方形の場合にはそのような心配はありません。

それとテストサンプルでは全く取り付けなかった補強板や補強棒を取り付けないと実用になりません。
補強棒のほうは補強以外に取っ手としても使われます。



2003/05/29
折畳式テーブルの製作(本番)

テーブル設計の自由度がかなり高い中でリビングルームでサブティーテーブルとして使うものを作って見ます。 大きさはたまたまテーブル用として縁取りの加工がされた40cm4方の20mm集成材を見つけましたのでこれを元に高さ45cmの物を試作しました。

使用材料 (大きさが変わればそれにつれて変化hします。)

  1.テーブルトップ: 400mm x 400mm 厚さ20mmの集成材 1枚。(縁取り加工済みでしたが、普通の板でもOK)

  2.脚/テーブル受け: 45mm x 24mm x 1820mm 栂(つが)の角材2本。(テーブルの大きさにより太さを変える必要あり。)

  3.補強板: 60mm x 12mm x 910mm 栂の板1枚。

  4.ボルト: M5 x 40mm ステンレス トラスボルト 6本(なべ頭でも良い。)

  5.ナット: M5 ステンレス 6個

  6.平ワッシャー: M5 ステンレス 外径12φ 12枚

               M5 ステンレス 外径25φ 6枚

  7.歯付ワッシャー: M5 6枚 (スプリングワッシャーでも代用可)

  8.軸細コーススレッドネジ 45mm 12本

  9.隠し釘: 36mm 8本

 10.木工ボンド


使用工具

  1.ノコギリ

  2.木工ヤスリ: 粗目、中目

  3.電動ドリルドライバー: (穴あけ用とネジ締め用で私は軽作業用のFDD-1000を使用)

  4.木工きり: 12.5φ(13φでもOK)

  5.鉄工ドリル: 2.5φ(下穴用)、6φ(座繰り穴用)

  6.プラスドライバー 

  7.M5用ボックスレンチ


加工手順

設計式に従い各寸法を計算しておきます。

  テーブル寸法: A = B = 400mm 厚み20mm

  J = 450mm - 20mm = 430mm

  E = 0.6 x A = 0.6 x 400 = 240mm

  C = √(J2 + E2) = √(4302 + 2402) = 492mm

  G = 0.8 x A = 320mm

  K = 0.5 x (A - G) = 0.5 x (400 - 320) = 40mm

  H = E + K - 0.5A = 240 + 40 - 200 = 80mm

  I = H ÷ E x C = 80 ÷ 240 x 492 = 164mm

  D = 0.8A = 0.8 x 40 = 320mm


この後の加工・組立ては以下の図と写真を参照ください。

45 x 24の角材から図のように切り出します。 テーブルトップ材は木目方向にそって半分に切断します。


切り出した材料です。 補強板のみは現物合わせで後で切り出します。

穴あけの詳細図です。 位置関係を間違えないよう注意してあけます。


穴あけに使った12.5φのキリ。 勝手に切り込んでしまうのを防止するため先端はヤスリでネジ部分を削ってあります。 穴あけの深さが判るようテープを巻いてあります。

穴あけが終わった8本の棒。 小さい穴は貫通穴で大きな穴は深さ7mmの座繰り穴です。


丸め加工の図です。 これも方向位置関係を間違えないようにします。 補強兼取っ手は断面が小判状になるよう削ります。

丸め加工が終了。 テーブルトップを切断した角を除き、総ての角をヤスリで軽く落としました。


補強棒兼取っ手を木工ボンド併用でテーブル受け2本にネジで固定。 この時座繰り穴を塞がないよう注意。

テーブル受けをテーブルトップの片方の所定の位置に軸細コーススレッドネジ45mmで固定します。 棒の厚みが45mmあるので6φのキリで15mm座繰った上でネジ込みます。


回転軸を形成する部材で、左からM5 40mmトラスボルト、M5 外径25φ平ワッシャー、M5普通の平ワッシャー、M5歯付ワッシャー、そしてM5ナットです。

回転軸の組立て。 ボルトに平ワッシャー(小)を通して棒の座繰り穴側から挿しこみます。 ボルトの先に平ワッシャー(大)を通します。


ボルトの先にもう1本の棒を貫通穴側から通したのち、平ワッシャー、歯付ワッシャーを通します。 この後ナットを充分に締めこみます。(緩いとぐらつきの原因になる。)

前述の方法で脚2本とテーブル受け1本をボルト3本で連結します。 手前側の脚も同様に組立てます。


脚を揃えて倒しもう半分のテーブルトップにテーブル受けを45mm軸細コースレッドネジ4本で固定します。

ここでそれぞれの脚を束ねて左へ、更に右へと倒してみます。 スムーズに回転するようであればOKです。


テーブルを使用状態にするために左右のテーブル受けの先端を反対側のテーブルトップの下に潜らせました。

それを裏側から見たところ。


この状態で2枚のテーブルトップが接触するまで脚を開けば使用状態になります。

ひっくり返せばこのようになります。 慣れればひっくり返さなくてもこのような状態にセットできます。


脚の先端が床と平行になるよう切断し、補強板(60mm x 12mm)を現物合わせで木工ボンドで接着し(隠し釘併用)、完成です。

完成した折畳式テーブル。 ぐらつきは殆どなくかなり安定しています。 軽荷重用には違いありませんが、想像以上に荷重はとれそうで、30kg程度までなら全く問題なく使えると思います。


取っ手があるためチャブダイよりも運ぶのは楽です。


折り畳んで真横から見たところ。 20 + 45 + 20 = 85mmの厚みですから、使わない時にはちょっとした隙間に保管できます。

使用前には塗装が不可欠ですが使用予定場所において見ました。 デミちゃんも満足そう??です。 

その後ウレタン透明ニスを2回塗りしました。 折り畳んだ状態です。

使用状態にしたところ。 生地に透明ニスもなかなか味があります。

最後に

この作品も塗装することにより汚れに強くなりますし美しくなります。 その為にテーブル受けはネジ止めしただけですが、塗装後は木工ボンドで接着した方が良いと思われます。 また歯付ワッシャーを使用したにもかかわらずボルトがゆるんで来るようです。 これは塗装後にナットに瞬間接着剤を沁み込ませて強引に固定しようと考えています。

見た目は余り風采が良くありませんが、折り畳むと極めて薄くなることと取っ手があるので運ぶのが楽です。 耐水性を上げられたら屋外で使うテーブルにももってこい(薄く折り畳める点)ですし、実用性ではチャブダイ以上のものがありそうです。

----- 完 -----

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