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屋内工作物用木材
2004/01/16

  日曜大工での材料費中木材が占める比率は極めて高い。 私自身の経験では最も低い場合でも65%、高い場合は90%をゆう
  に越してしまう。 65%の場合はどちらかと言うと例外に近く高価で特殊な家具金物を使った場合に限られており、体験的な木
  材の総材料費に占める比率は75-80%くらいだと考える。  従って加工の手間賃をゼロとして計算できる日曜大工において
  出来上がった作品が価格的に安かったかどうかを判断する上で、使用した木材コストの影響度は大変高い。

  一方価格とは別に考えなければならないのは、使用する材料がアマチュアレベルの技術で加工しやすく、仕上がりが良く、強
  度も十分取れることが重要である。 その意味で適した材料がどんなものかを解説して行きたい。

  検討事項別に候補としてでt来る材料を挙げてみよう。

1.面の仕上げに手間取らない材料。
  大きな平面を十分滑らかに仕上げないと最終的な塗装作業に入れるまでの作業時間が長くなってしまう。
  基本的に土曜・日曜しか時間がつかえないので、面仕上げの所要時間は短い方が有利であるし平面をカンナで仕上げるのは
  それこそ熟練した職人技が必要であるから、カンナ作業不要が原則である。 この観点から適した材料は、

      イ.仕上げカンナかそれに近いカンナ仕上げがされて売られているムクの材料
      ロ.シナ合板、シナランバーコアなど表面の木目がきめ細かなもの
      ハ.比較的表面が滑らかな集成材
      ニ.表面処理され滑らかになっているMDF
      ホ.突き板、塩ビシート貼り、プラスチックコートがされた材料

  が挙げられる。 ムクの材料や集成材の場合には塗装前の仕上げにカンナではなく電動サンダーを使い完璧な仕上げが期待
  できる。 特に粗いベーパー(#60-#100)で大きく削り込むようなことも問題ないので、1-2mmの段差を落とすことも可能であ
  る。 シナ材を貼った合板やランバーコアは、シナの部分は薄いので大きく削り込むのは出来ないから、(#150-#240)のペー
  パーを使った浅い仕上げ研磨で対処すればよいし集成材の仕上げにも同じ番数のペーパーを使う。

  ホ.に属するもののうち突き板の場合はロ.と同等の処理でよいが、残りは表面処理をする必要がないので大変楽と言える。
  ホームセンターで売っている棚板用化粧板はこの類だが、既製のサイズそのままで使うなら別として、切断する場合には後述
  する木口処理の問題が生じるし、割高であることや好みの色や図柄が自由になりにくい問題がある。

  以上の材料総て難しいカンナ掛けの必要は全く無い。

  逆に面処理に手間取る材料は、

      イ.粗材といわれる全くカンナがかかっていないもの
      ロ.細かな穴、窪みの多いラワン材、ラワン合板、OSB

  であり、何れも塗りつぶしの目的での下地作業は極めて大変である。 粗材の場合は材木店で買うのであれば、予めカンナ
  掛けしてもらった上で購入すれば問題は無い。

  ラワンの場合独特の木目を生かそうとしたニス仕上げであれば別だが、ペイント塗りつぶしの場合深くて多い独特の穴が大変
  邪魔であり材料としての価格は安いもののこれらの穴を埋めようとしたら、それこそとんでもない手間がかかり貴重な時間を浪
  費することになる。  従って価格は高いものの作業量とのバランスを考えシナ合板をお奨めしたい。

  OSBの使用もその独特の風合いそのものを活かす場合にのみ採用すべきであり、塗装して塗りつぶした場合に残る窪みを平
  らにしようなんて考えない方が良い。
  OSBや合板の中でコンパネと呼ばれる材料は元々構造用とか下地用に開発された物であり、実際にはその上に他の材料で
  覆って見えなくなることを前提としており、表面材として使用することは考えられていないのである。

ここに載せた写真は等距離から撮影したクローズアップであるが、トップは私が最も使うシナ合板の表面で、極めて緻密で美しく仕上げ作業は楽だ。

この写真だけ木目方向が違うが、ラワン合板の表面。 こんなに深く沢山の目をパテで潰すのは労力の固まりで考えただけでもぞっとする。

見た目にはあまり美しくは無いがMDFの表面は意外に滑らかで塗りつぶしであればそれほど下地作りが大変ではない。

OSBの表面。木片むき出しと言う感じで凸凹が多くなめらかに塗りつぶすのは大変。 この質感をそのままデザインとして利用する方がベター。

ムク材の1番目は割安なエゾ松。 これは角材を接写したもの。

こちらもエゾ松だが製材方向によってはこのように木目が余り目立たない場合もある。

これも比較的買いやすい米栂の表面。 木目がつんでいるのが特徴。

30mm厚タモ材の集成材の表面。 カウンター材にもってこい。

メルクシパイン集成材の表面。 集成材の中では最も安い部類に入るようだ。

先日スピーカーボックスを作るのに使ったロッジポールパインの集成材で、縦方向は1本の棒を接着させたもので、縦方向の曲げ強度が非常に高い。



2.木口処理の容易な木材

  容易な日曜大工を考える中で木口処理は大切なファクターになる。 この観点からだけ考えると、

     イ.ムクの材料
     ロ.集成材
     ハ.MDF
(塗りつぶし仕上げのみに限る。)

  が有利である。 特にムクについては改めて説明する必要な無いであろう。
  集成材の場合に注意すべきは木口に見えるジョイント部分であり、全く見えないもの繋ぎ目が線となって出て来るもの
  繋ぎ目がギザギザ状に見えるもの(フィンガージョイントという)の3種類がある。 作る作品によってはそれら繋ぎ目がわず
  らわしく見えたりチープなイメージを与える可能性があるので注意したい。 それと接着の際の作業の質と使用接着剤によって
  は、剥がれたり強度不足の問題もあるが購入時にそれを発見するのはほぼ不可能という問題がある。

  ムクの材料か木口に継ぎ目が見えない集成材で40mm厚程度まであれば、修練した技術が無くてもカンナ掛けは容易であ
  る。 (繋ぎ目の見える集成材は逆目方向と順目方向が入り混じるのでカンナ掛けには向かないので、木工ヤスリかサンドペ
  ーパーで仕上げる。)


  MDFはその作り方が粉状にまで砕いた木材を接着剤で固めたような物であるので、表面と木口の見え方に大きな差はないと
  言うかどこを切っても同じである。 サンドペーパーで簡単に削れるため初心者でも扱いやすいが、塗りつぶしか壁紙のような
  物で完全に覆ってしまう仕上げに限られ、ニス仕上げには使えない。

  木口を綺麗に見せたい場合(特にニス仕上げ)には、木材の選択の範囲がかなり狭まってしまうのが実状だ。

  一方木口処理の厄介な材料としては、合板、ランバーコア、チップボード、OSBなどの合成木材が挙げられる。

  このうち合板については奇数枚を貼り合わせた断面をデザインの一部として考えるのであれば、処理が大変と言うことは決し
  てないし、塗りつぶしの場合でも特に下地処理なしでも3回塗りを施せば、導管の穴は潰れてしまう。

  多少面倒なのは、合板やランバーコアの断面に見られる欠損の穴や、繋ぎ目の隙間でありこれらはパテで埋めるしかない
  が、パテを使うのは塗りつぶしの場合に限られる。(ニス仕上げではパテで埋めた所がはっきり判ってしまい具合が悪い。)

  チップボード、OSBに関しては切断面の見え方はきわめて汚く、全面的にパテで埋めてから塗装するか木口テープを貼ってし
  まう方法を取らざるを得ない。 後者の方法は合板やランバーコアの木口処理でも有効であるが、木口テープ自身がかなり割
  高であるので全材料コストを計算して良く考えた方がよい。

合板の奇数枚貼り合わせ枚数をプライ数という。 上は5プライの9mm合板で下は3プライの4mm合板の木口。 いずれもシナ合板で表層のシナは大変薄いのが判る。

上が12mmで下が5.5mmだが、断面に導管の穴が良く見えるがこちらの2枚もシナ合板だ。

上が2.7mmのプラスチックコートがされたカラー合板で、下は12mmOSB。   OSBの断面は全く美しくない。

2種類の18mmシナ合板で左は9プライで右は7プライ。 薄板間隔がほぼ等しい9プライは見た目にも悪くは無い。

その9プライ18mmシナ合板の拡大。 沢山見える導管の穴は3回塗りで潰れる。 また板厚が大きくなっても表層のシナの部分の厚みは増えないのが判る。 上のほうの薄い物と比較して欲しい。

左の9プライの合板を使い木口をデザインの一部として積極的に見せた例で、ニス仕上げとしている。  私のお気に入りの仕上げの一つである。

30mm厚タモ集成材の木口に見えるフィンガージョイント。 この構造により縦方向曲げ強度が大幅に改善する。

MDFの断面。基本的に粉状に木材を砕いて接着剤で固めた物であるから、表面と木口の質感は同じであり研磨も容易である。

木口を美しく見せる木口テープ。 左は30mm幅のタモ天然材でニス塗り仕上げもOKで、右は15mm幅のカリン色に仕上げたプラスチック製。

何れのテープも強力な粘着材付だから裏紙をはがして木口に貼り付けるだけでよい。



3.大面積に有利な材料

  作る物によっては大面積や長尺を繋ぎ目なしで対応できる方が、作業の手間、曲げ強度、そして見映えを考えて重要なことが
  ある。 例えば床から天井まで届く収納家具の側板などでは長さが2400mmのものが欲しくなってくるし、幅も600mm位必
  要になる。 またカウンターの材料も同様だ。

  こんな場合ムク板で実現しようとなるとそのコストはとんでもないことになるし、天然材が共通して持つ反りの問題も作業・加工
  上の大きな障害となりうる。 ムク材を繋いで使う手もあるが、我々アマチュアに負える領域ではなく現実的ではない。

  この観点から見て有利な材料は合板と集成材と言える。 通常販売されているものは長さが1820mm(6尺)どまりのものが
  多いが、取り寄せにより合板の場合には長さ8尺(2400mm)、幅4尺(1200mm)のものや集成材では、長さ4m、幅900mm
  なんていうものでも入手可能である。



4.物理的な強度で有利な材料

  使用目的によっては物理的な強度が十分必要な場合がある。 その中で曲げ強度がもっとも重要なことが多いが、共通した
  問題としては木繊維が端から端まで通っている方が曲げ強度は高いということで、理想形態は無論ムク材ということになる。
  但しムク材と言えども繊維方向と直角の方向は曲げ強度が下がってしまうから要注意だ。

  方向性を問わず曲げ強度が高いのは合板である。  合板は奇数枚の薄板を木繊維方向が交互になるよう重ねて貼り合わ
  せた構造であるためタテ、ヨコ両方向の曲げ強度が大きく取れるいという特徴がある。 

  次が集成材で継ぎ目の接着強度を増すためフィンガージョイントとしたものはムク材に近い曲げ強度が取れるとされている。
  しかしこれら合板や集成材では使用する接着剤や接着技術により実際に期待できる強度の幅はかなりあるようだし、集成材
  の場合繋ぎ合わせる木片それぞれの収縮の差から来る剥がれの問題も併せ持っている。

  選択上難しいのは木繊維を曲げ強度増大に利用していない材料であるチップボード、OSB、MDFなどである。
  これらの材料に曲げの力が加わった場合どのようになるかと言うと、曲げの力が加わった時にたわむ事で破断を防ぐ力が弱
  く、たわみがあまり進まないうちに突然破断し易い性質がある。

  簡単な実験として数ミリ厚のMDFと合板を曲げてみるとわかる。 合板の場合は割れる直前にはかなり曲がるが、MDFの方
  は合板ほど曲がらないうちに突然パリッと割れてしまう。

  この破断点も生産方法、使用接着剤などにより大きく変わってしまうから、販売されているものの曲げ強度がどの位あるかを
  知ることは不可能に近いが、たわみにくいから強度が高いという保証はないということを覚えておいた方が良い。 


こうしてみると我々アマチュアが使用する屋内用の材料として、ムク材集成材合板が色々の観点から有利な材料として浮かび上がってくる。  無論適材適所が必ずあるからこれら以外は使い物にならないと言うわけではないが、上記4つのポイントから見た総得点数が高いのはこれらである。 

但しこれらの中で価格はムク材が最も高く集成材合板がこれに続く。 その合板の中でシナ合板は最も割高ではあるが集成材よりは安いので、バランスの取れた材料として私が最もよく採用しているという我田引水的な結論になる。



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