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サンドペーパーの粗さの表示
 
2002/04/18

日曜大工をしていてサンドペーパーを使ったことの無い方はおられないと思う。 サンドペーパーは表面研磨の万能選手でありポピュラーな紙を台にしたものから丈夫な布、或いは耐水性を良くして水研ぎ用としたもの等実に様々な種類がある。 それらの粗さを表す表示方法については全く共通であり、最も粗い#40から非常に細かな#2000などが水研ぎ用には見うけられる。 しかしこれらの#400等の数値の意味をご存知の方はサンドペーパーのポピュラーさの割には少ないのではなかろうか? 今回はこのナンバーについてお話したい。

先ず#の記号から行こう。 これを何と読むか。 よくありそうな読みは「ナンバー」であろうがこれは間違い。
答えは、「メッシュ」と読むのが正しい。 メッシュとは英語で網目という意味を持っている。 そうこの記号#をもう一度ご覧頂きたい。 網目の形をしているではないか。 冗談のようだが本当の話である。

なんで網目が出てくるかと言うと、サンドペーパーを作る砂粒の大きさをコントロールする為、砂粒をふるいにかけて選別する。 だからメッシュ(網目)が必要なのである。

このメッシュ記号(#)に続く数値は何を指すかと言えば、想像つくように砂粒の大きさを表す値(粒度)である。  そしてこの数字の決め方が傑作なのだ。 なんと1インチの長さに網の目がいくつ入るかを表した数値なのである。 1インチは25.4mmあるから#40だったら網の目がその中に40あるわけだから25.4mm/40=0.635mmがひとつの目の大きさであり、従ってこれを通過する砂粒の直径は約0.63mmとなるが、実際には網の目を構成する線があるから砂粒の大きさはこれより小さい。
実際にはこの網目やそれを構成する線の大きさ太さはJISで規定されている。 興味のある方は調べてみてはと思う。

#2000などの粒状となると砂粒の直径は7μm0.007mm)程度となり、これは砂粒と言うより実感としては粉でありこのような細かな物で磨いた表面は鏡面のようになる。 

いささか脱線するがレンズや望遠鏡に使われる反射鏡を磨く研削砂(カーボランダム、アランダム、セリウム、紅柄など)の粒度も全く同じ考え方で表示している。 こちらの場合研磨面精度を1/8〜1/20波長の誤差というとてつもなく微量を磨き上げるのだから驚きの極みだ。 その様な仕上げ磨きには#3000以上が使われるが、機械研磨ではなく手磨きだというところが達人の技というかなんともすごい。

ということで番数が倍違うと粒状性もほぼ倍違うと見てよいので、私は#60、#120、#240、#400というほぼ倍数系列で粗目、中目、細目、極細目として使っているが、塗装の鏡面仕上げ用に空研ぎ・水研ぎ用の#1000以上を使うこともある。


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