2001/11/09
合板を非常に便利な材料として多用している私だが経験を積むにつれ案外いいかげんなところがあるのに気が付いている。
とは言っても、そのいいかげんさは私のあくまで個人的な見方であり、業界で決められた何らかの規格には入っているのかもしれず、その意味ではいいかげんとは言えないかもしれないが、実際に使う立場からするとやはりいいかげんと言いたいのである。 何をしていいかげんと感じているかは、
1.厚みの変動幅。
ある時加工誤差は殆どないのに接合を重ねていったときに外寸が計算値よりも1mm以上変動してしまったことがあり、色々
調べた結果厚みが違うのではと疑問を感じ、手元にあったシナ合板18mmの端材(元の板は異なる。)5枚をノギスで調べた。
結果はもっとも厚かったものが18.2mm、薄かったものが17.8mmと公称18mmに対し±0.2mmあった。 これでは接合を重
ねるに従い寸法の狂いがでるのは当然と納得。 もっとも薄い物と厚い物は指で挟むと判るほどの差である。
2.積層板の厚みの違い。
合板は奇数の薄板を木目が交互になるよう貼り合わせておりこの薄板の貼り合わせ枚数をプライ数と言う。 何故奇数なのか
と言うと、板の厚み中心に対して厚み方向が線対称となるため、反りの発生が少ないからである。
手元の12mm合板は全て5プライ(5枚貼り合わせ)であったが、妙なことに気が付いた。 2枚の合板がどちらも5プライなのに
中の個々の積層板の厚みが随分と違う。 中心に対しての線対称は守られているが、これは規格内なのだろうか?
この違いが反りに対しては問題なくても、板の圧縮強さ、引張り強さ、曲げによる変形などが方向によっては、相当な差が
出そうなのだが。
3.重量(密度)の違い。
シナ合板でスピーカーボックスを作っていたときの話。 2つのボックスは全く同寸法で作り加工誤差は0.5mm以下にあるが、
その割には重量がどうも違うような気がして測ってみた。 結果は1台が5.2kg、もう1台が4.8kgでなんと400gの差があっ
た。 但しここで使ったディジタルヘルスメーターは200g刻みの表示で、正確な値はそれぞれ5.3kgと5.1kgの間、4.9kgと
4.7kgの間にあると言わねばならない。 それらの差の最小値をとっても200gの差があり、最大値では何と600gの差とな
る。
塗装の厚みの差が影響するとは考えにくいため、使った合板の重量の差というか合板の密度の違いという事になるわけだ
が、比率で言うと10%前後違うわけでこれは大きな誤差に思える。 そういえば加工中に気が付いたことだが、合板によって
は同じ厚みでもすかすかと容易に切断できるものと、硬くて切断しにくいものが混じっている。 これらの差も規格内なのだろ
うか?
以上に関して日頃お世話になっている材木屋さんに問い合わせてみた。 数え切れないほどお世話になっているご主人は面食らった顔をしながらも、「そういったバラツキがあることは事実です。 しかしまとめて購入した同一ロット品であっても1枚1枚個々にバラツキがあり、問屋に問い合わせても規格内との説明しか受け取れなのです。」 とのことであった。
いずれにしても現実を考えると選別して買うわけにも行かず、そういうものなんだ!と自分に言い聞かせてはいるが、納得しきれていない。 どなたかこの件に明快な説明が出来る方居られないだろうか??
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